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我々は2022年の5月から6月にかけて日本に一時帰国しておりました。
日本への一時帰国で一番の問題となるのが、日本の食材をこれでもか、と詰め込んでアメリカに帰るときの荷物の重量!
今回、我々は一般的な「通し」ではなく、「別切り」という特殊な形で航空券を発券したので、この場合に荷物などの扱いはどうなったのか、という実際の経験を記録しておこうと思います。
1.「通し」と「別切り」航空券の違い
2. 預け荷物の扱いはどうだったか?
3. 搭乗券はスルーで発券してくれるのか?
4. 預け荷物はスルーで預かってくれるのか?
5. ビジネスクラスの特典は引き継がれるのか?
<以下のケースの経験を記録します>
デルタ航空(米国内)→ANA国際線(ビジネス)
ANA国際線(ビジネス)→ユナイテッド航空(米国内)
通し航空券とは
通し航空券とは、
直行便がない区間の航空券を出発地から最終目的地まで一括で購入した時の航空券のことを言います。
具体的には、メンフィスから沖縄に行きたいときに、
出発地:メンフィス
到着地:沖縄
という形で検索して出てきた航空券が通し航空券となります。
出発地:メンフィス
経由地1:ヒューストン
経由地2:東京
到着地:沖縄
区間①メンフィス→ヒューストン(アメリカ国内線)
区間②ヒューストン→東京(国際線)
区間③東京→沖縄(日本国内線)
例えば、こういう感じで乗り継ぎも含めて3つの区間が一気に発券されます。
別切り航空券とは
別切り航空券とは、
直行便がない区間の航空券を出発地から最終目的地まで一括で購入せずに、各区間もしくは一部の区間を分けて購入した時の航空券のことを言います。
具体的には、上記のメンフィス→沖縄という同じ旅程を
区間①メンフィス→ヒューストン(アメリカ国内線)
区間②ヒューストン→東京(国際線)
区間③東京→沖縄(日本国内線)
このように2つ以上の区間にわけて購入すると、別切り航空券ということになります。
国内線扱いと国際線扱いの違い:預け荷物編
さきほどの例を使ってもう少し詳しく見ていきましょう。
具体的には、
区間①メンフィス→ヒューストン
(海外の地方→日本への直行便がある海外の大都市)
この区間①と、
区間③東京→沖縄
(海外から直行便のある日本の大都市→日本の地方都市)
この区間③に関しては、
実際はアメリカと日本の「国内線」に相乗りしているのですが、通し航空券の場合は、チケットとしては「国際線」の乗り継ぎ扱いということになります。
では、先ほど例にあげた別切り航空券ではどうでしょうか。
区間①メンフィス→ヒューストン
この区間はいったいどういう扱いになるのでしょうか??
(A)この区間①は別に購入しているので「国内線」扱いになる
(B)別に購入しているが、国際線の乗り継ぎがあるので「国際線」の乗り継ぎ扱いになる
なんとなく(A)の気もしてきます。
さらに条件が加わるとどうでしょう?
別切り航空券で購入したものの、航空会社は異なる一方で、全日空ANAとユナイテッド航空UAという同じスターアライアンス同士の乗り継ぎだったらどうでしょうか??この2社は荷物もスルーで預かるサービスなどもやっており、かなり情報がお互いにリンクしていると考えられます。
今度は(B)の可能性もある気もしてきました。
どっちでもよいのでは?と思われるかもしれません。しかし、この2択、国際線扱いなのか、国内線扱いなのか、ということは非常に重要な違いがあるのです!
預ける荷物がたくさんある一時帰国組の我々にとって、一番問題となるのは何キロまで、何個まで無料で預けることが可能なのか?
ということかと思います。
今回の我々の旅程では、
アメリカの国内線をデルタ航空とユナイテッド航空(UA)、
国際線はANA全日空を利用しました。
ユナイテッド航空とANAは同じスターアライアンスというグループに加盟している仲間なので、預け荷物の違いはここを中心に見ていきたいと思います。
ANA 国内線 | ANA 国際線 | UA 国内線 | |
全クラス共通:3辺の長さの合計 | 203cmまで | 158cmまで | 157cmまで |
エコノミークラス (プレミアムエコノミー) | 合計20kgまで | 23kg 2個 | 有料(1個目$35 2個目$45)1個あたり23kgまで |
ビジネスクラス | 32kg 2個 | ||
プレミアムクラス (国内線) | 合計40kgまで | ||
ファーストクラス | 32kg 3個 |
アメリカの国内線は荷物を1つでも預けるとお金がかかるんですよね。しかも2つ目はさらに増額されてしまします。
つまり、乗り継ぎ区間のUA国内線部分の扱いが「国内線」なのか「国際線」なのかは大問題となるのです。
国際線扱い→2個まで無料
国内線扱い→2個で80ドル追加料金!
つまり、ANAの国際線で2個まで無料だからと思っていたら、ANAにたどり着くまでに80ドルも追加料金を払う必要があるかもしれないのです。
これはデルタ航空でも、アメリカン航空でも、ユナイテッド航空でも共通です。アメリカのほとんどの航空会社が一度は破綻しているので、預け荷物が有料というのはコスト削減の一環といったところなのでしょうか。。。
ちなみにANAも国内線と国際線で荷物の規定がかなり異なるんですね。今までは通し航空券で買っていたので全く気にしていませんでした。
さて、実際に答えはどうなのか?というところですが、状況によって答えが異なる可能性もあるため、実際に我々が経験した結果がどちらだったのか、最後に例として記載させていただきます。
国内線扱いと国際線扱いの違い:発券編
さて、預け荷物という点で、国内線扱いと国際線扱いでは、大きな違いがあることがわかりました。
その他に気になる点としては、
最初のチェックイン時に、出発地から最終目的地まですべての搭乗券を一度に発券してくれるのか?
ということも挙げられます。
これは同時に、
預け荷物は最初の出発地から最後の目的地までスルーで預かってくれるのか?
という疑問にもつながります。
これは別に預け荷物の料金や数の違いほど大きな問題ではないですが、搭乗券を一度に発券してくれると、乗り継ぎ先でいちいち次の飛行機の搭乗券の発券のために、航空会社のブースに行く必要がないので楽ちん、ということになります。
よく大きな空港の出発ゲートの近くに航空会社のブースも並んでいる光景を見ますが、搭乗券を一度に最後まで発券してくれなければ、こういうブースに並んで発券してもらえばよいので、ここは大きな問題にはならないかもしれません。
預け荷物に関しても、スルーで最後まで預かってくれるのであれば、何も気にせず乗り継ぎ空港でゆっくりできますが、スルーで預かってくれないのであれば、乗り継ぎ空港で一度荷物を回収し、航空会社のブースに並んで荷物を預けなおす必要が出てきます。
これについても、我々の経験を後述したいと思います。
国内線扱いと国際線扱いの違い:特典編
よくこのブログでも話に出てきますが、ねず夫はマイラーです。
なので、別切り航空券で航空会社の上級会員の特典が引き継がれるのかどうか、についても気になります。
これは前述の預け荷物に関する問題と一部重なってきます。
というのも、ビジネスクラスでANA国際線を発券した場合や、スターアライアンス・ゴールドなどの上級会員の資格を有していた場合は、通常のエコノミークラスよりもより多くの預け荷物を無料で預けることが可能になるからです。
例えば、スーパーフライヤーズカード(ANAの上級会員のひとつ)を持っている場合は、追加で1つの荷物を無料で預かってもらうことが可能になります。つまり、通常は2個までだったところが、3個までということになるので、非常にありがたいのです。
ところが、別切り航空券で、もし乗り継ぎ先の飛行機の扱いが国内線扱いということになってしまうと、とんでもない追加料金を払わないといけなくなってしまうのです。。。
さて、というわけで別切り航空券というものがどんなものか、どのような問題を引き起こす可能性があるか、について少し理解したところで、我々が今回、別切り航空券を使って渡航してどのような結果であったかについて最後に記録しておこうと思います。
あくまでも我々の経験であって、すべての別切り航空券において同様とは限りませんので、参考にする程度でよろしくお願いします。
我々の記録 2022年5月6月の経験
別切り航空券渡航のスペック紹介
まずは我々の今回の別切り航空券を使った渡航のスペックをまとめておきます。
・3つの航空券を発券(別切り航空券)
①メンフィス→ワシントン:デルタ航空エコノミー
②ワシントン→東京→ヒューストン:ANAビジネス
③ヒューストン→メンフィス:ユナイテッド航空エコノミー
・ANAスーパーフライヤーズ会員(ユナイテッドにも効力あり)
・スカイマイルは通常会員
・預け荷物は2人で5個(3個23kg、2個10kg手荷物サイズ)
まぁなぜこんなややこしい旅程になったのか、というところなんですが、
期限が切れそうなANAマイルをビジネスクラスで消費するために空席を探したところ、2人分の席はこのワシントン出発ヒューストン帰りという旅程しか空いていなかった、というのが理由です。期限が切れそうなマイルでビジネスクラスに乗れるのであれば仕方なし、という感じです。
預け荷物5個のうち2個を、念のため持ち込みが可能なサイズの大きさで10kg以内にしておきました。
前述のとおり、
ユナイテッド航空とANAは同じスターアライアンスの仲間で、
デルタ航空はこの仲間ではありません。
メンフィス→ワシントン編
この区間は我々は国内線扱いであることを予想しておりました。
国際線への乗り継ぎが24時間以内で、乗り継ぎであることには間違いないのですが、
・搭乗日が前日であること
・航空会社のグループが全く異なること
・ワシントンでの使用空港が異なること
といった理由があったからです。
この区間についてあえてデルタ航空を予約したのは、コロナの影響で2年前に計画していたフライトをキャンセルしたときに、Eクレジットという形で返金されており、これの期限も今年いっぱいまでという事情もありました。
また、クレジットカードのエアラインクレジットが200ドル分(デルタ航空用)あるので、追加料金を取られてもお財布的には全く影響がない(というか特典が使えてラッキー)状態でした。
さて、実際どうだったのかといいますと、
予想通り、ここは完全に
「国内線扱い」となりました!!
なので、預け荷物にしっかりとお金を払いました。
そして当然、翌日の搭乗券の発券もありませんでした。
ヒューストン→メンフィス編
さて、その後無事に日本に一時帰国し、これ以上ないレベルで日本を堪能しました。
☆日本の旅行記時ブログはこちらで少しずつUP中
楽しい時間は一瞬で終わり、再びアメリカに戻ります。
帰りの旅程を再確認すると、
東京→ヒューストン:ANAビジネス
ヒューストン→メンフィス:ユナイテッドエコノミー(別切り航空券)
という旅程です。
ちなみにこの2区間は、空席があれば通しで買うことも可能です。今回は残念ながら特典航空券の空席がありませんでした。
・乗り継ぎ時間は5時間(24時間以内なので定義は乗り継ぎ)
・ANAとユナイテッドは同じスターアライアンスグループ
・ANAはビジネスでユナイテッドはエコノミーで予約
・ANAのスーパーフライヤーズ所持
この区間こそ、事前に国内線なのか国際線なのか、最も予想が難しかった区間でした。日本滞在時にANAを使う機会が何度かあったので、空港のデスクで確認をしてもらったところ、
「おそらく、アメリカの国内線という扱いになると思いますが、一応現地でも確認してください。」
というお返事でした。
まぁ仕方はないとはいえ、希望はわずかに残っているという感じでしょうか。ただ、国内線になる可能性が高そうだったので、
・預け荷物はANAビジネスの32kgではなくアメリカの国内線に合わせて23kgまでに減量
・数は2人で3個を23kg、2個を手荷物サイズにして10kgに!
・アメリカまではANAに全部無料で預かってもらう
・乗り継ぎ時に国内線扱いの場合2個は手荷物として持ち込む
・ユナイテッドはスーパーフライヤーズの効力で1人1個までは預け荷物無料なので、最悪追加料金1個分は覚悟!
という作戦をとることにしました。
さて、結果ですが、
アメリカの国内線扱いでした!!!
非常に残念!ですが、仕方ないですね。ヒューストンの空港で荷物を回収し、乗り継ぎカウンターに行って事情を説明し、ユナイテッド航空のブースの方がいろいろ調べてくれましたが、やっぱり国内線です!といわれました。
ちなみに、航空券は別切り航空券でしたが、搭乗券は日本で最終目的地のメンフィスまで発券してもらうことは可能でした。
まとめ
というわけで、我々の2区間の別切り航空券の経験では、
別切り航空券での乗り継ぎは「国内線扱い」になる、
という結果になりました。
たとえ、ANAとUAという同じスターアライアンスであっても難しいのかもしれません。ただ、顧客情報に、この搭乗者は乗り継ぎがある、という情報は登録されているような感じでした。
なので、基本的によほどの事情がない限りは、
「通し航空券」
を買うことをお勧めします!
ただ、今回のように一部だけ特典航空券を使いたい!とか、特別な事情がある場合は、別切り航空券も選択肢になりますので、その時にどういう対策を練るべきか(荷物の重量など)、参考にしていただければ幸いです。
はじめまして。別切りユナイテッドの国内線搭乗の際は、スーパーフライヤーズの効力を使って手荷物預け1つは無料になりましたでしょうか?
コメントありがとうございます。
はい、別切りユナイテッドでの国内線は、スーパーフライヤーズのおかげで、1人1つまでの手荷物預けは無料になりました。なので、それまでは国際線で無料預かりだった”残りの”預け荷物が有料となってしまいます。なので、我々は一部を機内持ち込みという形にしました。ちなみに、我々は念のため、ユナイテッド発券でも、ANAのマイル番号を登録していました。